特別講演

特別講演

作業療法・作業療法士の質 
 ~求められる組織の役割と専門性の追求~

一般社団法人 日本作業療法士協会
会長 山本 伸一

 
 令和6年7月13日(土)‐14日(日)、秋田県(アトリオン:秋田総合生活文化会館)にて、「第34回東北作業療法学会」が開催されます。積み重ねてこられました先人の先生方の弛まないご努力ご尽力に敬意を表します。そして今回、当会員の皆様や運営事務局等により、盛大に開催されますことを心よりお祝い申し上げます。
 本学会は、高橋敏弘大会長のもと、テーマは「作業療法・作業療法の質」でございます。学会長の思いが、そして情熱が心に伝わりました。特設ホームページでは、「作業療法が関わる領域も拡大し、作業療法士に対するニーズも増えると共に多様化してきました。経験の浅い作業療法士からベテランの作業療法士まで作業療法が提供すべきサービスの均てん化について改めて考える必要性があります。」と述べております。医療技術の格差の是正は、国民にとっても重要なテーマでございます。いつでも、どこでも、作業療法の質が担保されたサービスを受けられること。日本作業療法士協会と都道府県作業療法士会にとって、それが責務になります。本学会におきまして、会場全体が熱い議論になることでしょう。
 2025年は目前、そして2040年問題も控えています。作業療法士の活躍の場は、乳児から高齢者まで、介護予防から急性期・回復期・生活期、そして終末期のすべてです。バランスの良い作業療法士の配置を。在宅復帰に留まらず、就学・就労・趣味拡大等、いきがいを持った「真の暮らし」のために作業療法があります。わたしたち作業療法士だからわかること、そして出来ること。士会‐協会の連携をさらに強化し、力を合わせてまいりましょう。
 今回、作業療法に纏わる状況の整理と制度関連等を振り返り、組織再編等に向けた日本作業療法士協会の動向もご紹介いたします。そして、私自身の臨床動画とともに、「変わるべきこと、変わらないこと」を皆様と共有したいと思います。
 第4次5か年戦略を推進中でございます。私たちの未来は、私たちの手で創らなければなりません。臨床作業療法の最良の質と量の提供のために、全国の組織が手を取り合い、一体となって歩んでまいりましょう。
 結びになりますが、第34回東北作業療法学会の盛会と東北の作業療法士会の益々のご発展を祈念いたします。これからも何卒よろしくお願い申し上げます。